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ナキさんに「拾われた」3日目に、僕はナキさんと買い物に出た。
そして、ナキさんは僕に大量の服を買ってくれたのだった。
『いいよ、僕、こんなにもらえないよ』
その日4件目の店に入ろうとしたナキさんを、僕は手を引っ張って止めた。
その時のナキさんの顔が、今でも忘れられない。
『どうして?』
心底不思議そうに目を見開いて、首を傾げたナキさんを。
『私達、家族でしょ?』
家族。
今着替えているこの服も、全てナキさんが買ってくれたものだ。
そのおかげで、家出のさい持ち出した僕名義の通帳にはほとんど手をつけずに済んでいる。
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