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辺りは一面の…闇。 灯りはといえば、半分かけた月だけである。 梟の声がこだまする中…怪しい集団が闇に紛れて何かをしている。 リーダー各の銀髪の男が部下であろう人間に何か喋っている。 部下は無言で頷き各々の配置につく。 銀髪の男も隙を見計らい、目的地まで向かう。 今日彼が狙うお宝は、指輪。 ただの指輪ではなく世界に一つしかない世界に誇るべきお宝だ。 「隊長…赤外線センサー解除完了しました。」 部下の報告を聞きながら、男は目的の物がある場所へ着いた。 ガラスを割り、指輪を手にとる。 世界に一つだけの重みが手をつたって全身に伝わる。指輪を頑丈なケースに入れると元来た場所を戻る。 「そこまでだ…」 闇の中で声が聞こえる。 (そうか…そうだよな。 世界に一つだけの宝を、そうみすみす取られる分けに行かないよな。) と、思いながら男はゆっくりと振り返る。 「返して貰うぞ。クソガキ」 コツコツと革靴の音が室内にこだまする。 恐らく相手は拳銃を持っているだろう。 長年怪盗である男には、経験からかすぐに、その事が脳裏に浮かぶ。 自分も腰に手を回し拳銃に手をかける。 自分が撃たれては、元もこも無い。万が一撃たれても防弾チョッキがあるから大丈夫だのだが…。頭を狙われたら、一瞬にしてあの世いきっある。 部下がライトで敵を照らす。 警察だ……。それも、そんじゅそこらの警察とは訳が違う。相当の腕があるということが、見ただけで分かる。 だが向こうは一人。 此方だけ、何人も後ろに味方をつける分けには行かない。 「山川以外全員下がれ…。」 そういうと山川と呼ばれた部下を残し他の部下が一斉に後ろに下がった。「ほう…。怪盗風情が俺と一人でやろうってか?」 警官の男が顔に薄笑いを浮かべながら、男に近づく。 「ふん。お前こそ早くベッドで、寝てた方が良いんじゃねぇか?」 此方も負けてはいない。 相手より先に拳銃を敵に向ける。 「はっ。かっこつけやがって。そんなもん持っちゃ行けないよボク?」 「随分と子供扱いしてくれんじゃんか。今の言葉後悔させてやるよ。」 「強がるな…。」 警官も拳銃を向ける。 一か八かの勝負。 お互いが引き金に手を当てる。
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