277人が本棚に入れています
本棚に追加
/425ページ
******
お母さんの話を聞くこと3分。
沈黙が辺りを支配する。
だめだ。
頭が混乱して働かない。
とりあえず、今の状況を自分の口に出して整理しないと。
私はため息をつき、重い口をゆっくり開いた。
「…つまり、こういうことだね…つい最近、おじいちゃんは余命1年を宣告された」
「ええ」
「早急に跡継ぎが必要になり??」
「そう」
「うちに偵察に来たら、たまたま夕飯食べに来てた私の彼氏を息子と勘違いし??」
「みたいね」
「うちの話も聞かずに、ただちに恩賀崎家へ来るようお達しがあった、と」
「そのとおり」
どーよ??
とお母さんは首をかしげる。
……………。
「どーもこーもあるかーいっ!!」
私は再び大声をあげた。
ちゃぶ台があったらひっくり返す勢いだ。
最初のコメントを投稿しよう!