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「だいたい、おじいちゃんは私を生むときお母さんを勘当したんでしょ??何で今さら」
そう。
私は、恩賀崎家現当主であるおじいちゃんのれっきとした孫だけど、名字は恩賀崎じゃない。
紺野(こんの)。
紺野礼芽、だ。
死んじゃったお父さんの名字。
ああ、そもそも恩賀崎家がどういった家系かを説明してなかった。
恩賀崎家は、その由来を室町時代までさかのぼるかなりの名家であり、代々天皇家の側近として仕えてきた。
歴史に名が残らなかったのには理由がある。
私のひいひいひいおじいちゃんの代で、ある大失態をしてしまったからだ。
どんな大失態かってのは、割愛。
語るほどのもんでもない。
とにかく、それでも御家断絶ってな事態にならなかったのは、天皇家の温情だ。
今ではお金も地位もほとんどないけど、名前だけは残していこうって決めたみたい。
それは、いいの。
ご立派だと思うよ。
……だけどね。
問題なのは、恩賀崎家には馬鹿みたいなしきたりがあるってこと。
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