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目に入ったのは、とってもかわいい女の子。
小さくて華奢で、亜麻色の髪を腰辺りまでふわふわ延ばしているかんじが、まるでお人形さんみたい。
彼女はその大きな目をくりくりさせて、こちらを覗きこんでいた。
答えない私に、彼女は続けて話し掛ける。
「でも、この時期に授業選ぶのって遅いね~??」
ゆったりしたペースで首をかしげつつ言う彼女に、私は慌てて答えた。
「実は、私受験生で。ちょっと大学見学に来たんです」
嘘ついちゃった。
でも説明めんどくさいし。
私の言葉に、彼女はにっこり笑った。
「そおなんだー。じゃあ、なのはの二こ下だねえ」
「なのはさん??」
「うん、原崎なのはっていうのー。あなたは??」
なのはは言いながら、私の相向かいの席に座る。
それにしても、仕草がいちいちかわいい。
「私は礼芽。紺野礼芽です」
私の自己紹介に、なのははにこにこと笑った。
「かわいい名前だねー。あややって呼ぶね」
え…………
ええー
私、どう考えても『あやや』なんてガラじゃないんですけど…。
何と答えていいかわからない私に、なのはは続けて言った。
「ね、なのはがあややを案内したげる。あややの希望学部はどこ??」
ちょ、ちょっと、
あややはやめてー。
…とは言えず、私はあえてこの苦行に耐えることにした。
「えっと…経営です…」
すると、なのはは驚いたように手をうつ。
「えーっ、なのは経営学部なんだよぉ!!これって運命かなあ」
たまたまだと思うけど…
心の中でつぶやく私の手を、立ち上がったなのはがひいた。
「じゃあ、さっそく行こう。もうすぐなのはの取ってる授業はじまるから~」
そうして、私はなのはのペースに逆らうこともできず、半ば強引に食堂から連れ出された。
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