その四

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それから一時間がたち、チャイムが授業の終了を告げる。 先生は無難に授業をしめくくり、さっさと教室を出て行った。 授業を受けていた生徒も、がやがやとめいめいに立ち上がる。 「ふぁー。やっと終わったね。じゃあ、行こっか」 あのあとずっと携帯をいじっていたなのはは、教科書や筆記用具を鞄にしまい、立ち上がった。 「このあとは授業ないんですか??」 「えー、あるけど、もういいじゃん」 あるのにさぼるのか…。 うーん。 まあ、なのはの問題だし。 なのはがいいっていうなら、いいんだろう。 裕貴はどのくらいまじめに授業受けてるのかな…。 そんなことを考えつつ、せかすなのはに従って教室から出た。 教室から出るやいなや、なのはは歩きながらどこかへ電話をかける。 「あ、ひろくん??今どこー??」 ひろくん、とやらが何か答えたのだか、なのははおかしそうに笑った。 「うん、うん、わかったー。じゃあ行くね」 なのはは電話を切り、くるりとこちらに向き直った。 「カフェにいるって。すぐ近くだよぉ」 なのはの言うとおり、そのカフェは大学構内にたてられたもので、三号館のすぐ裏にあった。 大学内にあるカフェにしてはやけにおしゃれな建物だ。 なのはは慣れた様子でその扉を開け、窓際に座る男の子二人に向かって手を振った。 「ひろくん、ふみくん」 手を振られた男の子二人は、ぱっとこちらを向き、笑顔を見せる。 なのははちょこちょこした動作で二人にかけより、私を手招いた。
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