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そのしきたりとは。
当主の座を継げるのは、直系男子のみ
、というもの。
ああ、なんて古くさいしきたり!!
うちは天皇家かっつーの!!!!
お母さんという一人娘しか持たなかったおじいちゃんは、早めにお母さんを結婚させて息子をつくらせたがった。
その期待に答えるように、お母さんは20歳で結婚を決意。
そこまではよかった。
しかし。
問題は、おじいちゃんに黙って勝手に嫁にいったこと。
つまり、名字を紺野に変えた。
お父さんは私が小さいときに死んでしまったけれど…お母さんは恩賀崎家には戻っていない。
はい、恩賀崎家断絶。
ってなわけで。
「おじいちゃんは怒り狂ってお母さんを勘当、だったよね??」
「まーねー」
お母さんは楽しげにあっけらかんと答えた。
「まさかまだ跡継ぎ捜してたとは思わなかったよ」
お母さんの言葉にがくりと肩を落とす。
「私はおじいちゃんにも激しく同情するよ…」
「なんでよー。窮屈なんだから、あの家。金もないくせに」
確かにそのとおりだけど。
こわいよ、お母さん。
私は再度ため息をつくと、きっ、と顔をあげた。
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