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「あやや、こっちがひろくんで、こっちがふみくん」
なのはに紹介を受け、順番に二人をみやる。
ひろくんと呼ばれた方は少し長めの金髪、ふみくんと呼ばれた方はこれまた長髪で黒に赤のメッシュが入っていた。
正直、二人ともチャラそうなかんじ…。
私がそんなことをぼーっと考えていると、“ひろくん”の方が笑って言った。
「なのは、そんな紹介だとわかんないだろー。おれ、浩紀(ひろき)」
「おれは、文弘(ふみひろ)だよ」
二人の明るい自己紹介に、私もぺこっとお辞儀をして言う。
「紺野です。よろしく」
「紺野なにちゃんー??」
「かわいいねー」
へらへらした二人の言葉に、若干めんどくささを覚えつつ、私は答えた。
「礼芽です」
「あややはうちらの二こ下なんだよー」
はやばやと浩紀の横に座ったなのはが口をはさんだ。
「へー、見えねー。大人っぽいね」
「こっち、座りなよ、礼芽ちゃん」
文弘の言葉に、素直に私は腰をおろした。
それにしても。
なのはは友達、とか言ってたけど。
どうみても、ひろくんの方は明らかになのはに好意があるだろ。
「なのは、何頼む??」
「えー、お金使いたくなーい」
「俺がおごってやるって」
浩紀、なのはが裕貴を好きなこと、知ってるのかな…。
明らかに浮足だった浩紀の言動に、私は不憫に思いつつ店員さんが運んできた水を口にした。
すると、それまで黙っていた文弘がじーっと私をみてきた。
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