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めずらしい裕貴の反応に、私もきょとんとしてしまった。
「何??」
「いや、」
固まったと思ったら、今度は突然そっぽを向く裕貴。
どうしちゃったんだ、こいつ。
「だから、何なの」
回り込んで裕貴の視界に入ろうとした瞬間、ふたたび裕貴がこちらを向いた。
このときにはもう、裕貴のいつもの不敵な表情に戻っていた。
「慣れろよ。どうせこれから俺と付き合うことになるんだから」
「なるわけないでしょ!!」
すっかりいつもの調子の裕貴にどなりつけると、裕貴はそんな私の手をぱしっとつかむ。
「俺、腹減った。食堂行こうぜ」
そしてそのまま私をぐいぐい引っ張って歩き出した。
「離してよ」
「やだ」
なんだ、変わんないじゃん。
心配して損した。
相変わらずの態度にイラっとしつつ、どうせ振りほどけないし、と私は仕方なく手をつかまれたまま裕貴についていった。
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