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…………。
忘れてた。
私は、注文したしょうが焼き定食を食べる手を止め、相向かいの席を見る。
「裕貴くーん、やっほー」
「次授業あるのー??」
「ねえ、遊びに行かない??」
うん、すっかり裕貴がもてること、忘れてましたよ。
しかもそもそもそんな女子の視線が疎ましくて逃げ出したことを、忘れてましたよ。
さっきから、裕貴の席にひっきりなしに女の子がやってくる。
声をかけずに、熱い視線を送りながら横を通り過ぎるだけの子もちらほら。
そして、そんな女の子たち全員が、私を見て
『なんだこの女』
って顔をする。
………。
私だっていたくてここにいるわけじゃないやい!!!!
皆さん明らかに、聞きたいけど怖くて聞けないご様子。
もしそれ聞いて「彼女だ」なんていわれちゃったらショックだもんね。
はっはーんだ。
彼女じゃないしっ!!!!
敵視する前に、聞けよ!!!!
私はイライラむかむかするのをこらえて、すでに冷めかけている定食に向き直った。
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