その伍

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ピピピピ ピピピピ 「うー……うるさい……」 私はがさごそと手を伸ばし、なり続ける携帯のアラームをとめた。 そしてそのとめたままのポーズで、起き抜けの頭を働かせる。 床……畳。 私の部屋じゃない。 ここ、どこだっけ。 ………あ、恩賀崎家か。 握りしめた携帯に開ききらない目をやる。 時刻……7時56分。 あー、スヌーズに入ってたんだな。 うん?? 7時56分……………???? 「ぎゃああああ!!!!!!」 私は叫び声とともに布団をはね除けると、寝間着にと借りた浴衣のまま部屋から飛び出した。
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