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スパーーーン!!!!!!!
大きな音を立てて障子を開き、居間に飛び込む。
「こら、何事じゃ!!!!」
すでに食卓についていたおじいちゃんが怒鳴るも、私はそれを無視して自分の席に走り込んだ。
起きてすぐダッシュしたことと、ある恐怖のせいで異常な心拍数を刻む心臓をおさえ、私は恐る恐る時計を見上げた。
刻まれた時間は、
7時59分。
「ま、間に合ったあぁぁ」
安堵のあまり、机に突っ伏す。
「ギリギリでしたね??」
背後から突然かかった声に、私はばっと後ろを向いた。
私の後ろには、どす黒いオーラを纏う雛子が立っていた。
「もし、今日も寝坊したなら三枚におろして差し上げようと思いましたけど…」
その言葉で、私は雛子の右手に握られた包丁に気付く。
「ひいっ」
青くなった私に、雛子はにっこり笑った。
「命が繋がりましたね??今後8時以降に起きてご飯を残すなんてことがあったら………」
ギラリ。
包丁が輝く。
「覚えておいてくださいね??」
だから、昨日のは寝坊より裕貴が悪いんだって!!!!
とは口に出せず、ただこくこくと必死に頷く私を見て雛子は満足げに台所へ戻っていった。
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