その伍

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「たぁちゃー…」 呼びかけながら部屋に入って、気づく。 たぁちゃんは、座り込んだ姿勢のまま、壁にもたれて眠っていた。 そう、だよね。 始発で来たって言ってたから、4時とか5時起きだったはず。 きっと、頑張って起きてくれたんだろう。 私はこのまま寝かせてあげたい衝動にかられた。 でも、裕貴たちが部屋の外で待ってる。 このままだと、海大くんはともかく裕貴まで遅刻してしまうだろう。 ………。 えーーーいっ!!!! 私が、覚悟を決めてたぁちゃんを起こすべく、手を伸ばした瞬間。 「みー、だー、いー」 地を這うような声が、襖の外から聞こえてきた。
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