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「たぁちゃー…」
呼びかけながら部屋に入って、気づく。
たぁちゃんは、座り込んだ姿勢のまま、壁にもたれて眠っていた。
そう、だよね。
始発で来たって言ってたから、4時とか5時起きだったはず。
きっと、頑張って起きてくれたんだろう。
私はこのまま寝かせてあげたい衝動にかられた。
でも、裕貴たちが部屋の外で待ってる。
このままだと、海大くんはともかく裕貴まで遅刻してしまうだろう。
………。
えーーーいっ!!!!
私が、覚悟を決めてたぁちゃんを起こすべく、手を伸ばした瞬間。
「みー、だー、いー」
地を這うような声が、襖の外から聞こえてきた。
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