その伍

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「う、うう、ん…あや…??」 どれくらいへたりこんでいただろうか。 私はたぁちゃんのお目覚めで、はっと我に返った。 「あ…、目、覚めた??」 立ち上がり、たぁちゃんに近づくと、たぁちゃんは座った状態のまま困ったように笑った。 「うん、てか、ごめん。寝ちゃって」 「いいよ。朝早かったんでしょ??」 私の言葉に、たぁちゃんは手をぶんぶんと振る。 「そんな、たいしたことじゃないよ!!それより、どうだった??俺、ここにいていいの??」 あ、そうだ。 さっきの恐怖ですっかり忘れてた。 私がこくんとうなずくと、たぁちゃんは立ち上がって私に飛びついてきた。 「まじか!!やったー!!これで一安心だよ!!」 ん?? なんとなく語弊があるような気がして、私はたぁちゃんにたずねる。 「安心って、どういう意味??」 私の言葉に、たぁちゃんはなぜか色をなくした。 「いや、別に、たいした意味はないんだけど、その…」 「何か不安になるようなことがあるの??」 どうしてそんなに困った顔をするんだろう。 そう思って、たたみかけるようにたずねるも、たぁちゃんは明後日の方向を向いてごまかすばかり。 これじゃ、埒があかない。 私は小さくため息をついて、ごにょごにょ何かを言い続けるたぁちゃんに言った。
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