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「う、うう、ん…あや…??」
どれくらいへたりこんでいただろうか。
私はたぁちゃんのお目覚めで、はっと我に返った。
「あ…、目、覚めた??」
立ち上がり、たぁちゃんに近づくと、たぁちゃんは座った状態のまま困ったように笑った。
「うん、てか、ごめん。寝ちゃって」
「いいよ。朝早かったんでしょ??」
私の言葉に、たぁちゃんは手をぶんぶんと振る。
「そんな、たいしたことじゃないよ!!それより、どうだった??俺、ここにいていいの??」
あ、そうだ。
さっきの恐怖ですっかり忘れてた。
私がこくんとうなずくと、たぁちゃんは立ち上がって私に飛びついてきた。
「まじか!!やったー!!これで一安心だよ!!」
ん??
なんとなく語弊があるような気がして、私はたぁちゃんにたずねる。
「安心って、どういう意味??」
私の言葉に、たぁちゃんはなぜか色をなくした。
「いや、別に、たいした意味はないんだけど、その…」
「何か不安になるようなことがあるの??」
どうしてそんなに困った顔をするんだろう。
そう思って、たたみかけるようにたずねるも、たぁちゃんは明後日の方向を向いてごまかすばかり。
これじゃ、埒があかない。
私は小さくため息をついて、ごにょごにょ何かを言い続けるたぁちゃんに言った。
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