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翌日。
外から物凄い叫び声が聞こえ、私は外へ飛び出した。
そこには半分鬼の姿と化した母がいた。
鬼へ変わる度に皮膚が裂け、激痛が走るのだろう。
血の涙を流しながら母は悲鳴を上げていた。
『あああああああっ!!体が………体が熱いィィィィッ!!』
「お母さん!」
『夕姫!アレはもう葉音様ではない!!』
『鬼となる前に斬らなければ、この周りの住民はみんな喰い殺されるぞ』
「……………でもっ!!」
『…ゆ………夕姫………早く………早く鬼切丸で斬りなさい!!母が母であるうちに………ヒトであるうちに………早く斬りなさい!!』
ウォォォォォォォォン!!
完全な鬼の姿になった母が襲いかかってきた時、私は手にしていた日本刀の鞘を抜き母を斬っていた。
『ギャァァァァァァァッ!』
物凄い悲鳴を上げてのたうち回る母は、やがてその場で動かなくなり、次第に元の姿へ戻っていった。
「お母さん……………」
倒れた母を優しく抱き締めると、母の体は煙のように消えていった。
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