251人が本棚に入れています
本棚に追加
「ガキが調子のんな!」
「―――…っ」
背後からバットで頭を殴られた。寸前で、バットに気付いて致命傷は避けたが、頭がくらくらして焦点が合わない。
「他愛もねぇな!さっきの威勢はどうした!」
「…っふざけん、な!」
殴られて腹が立った俺は、何も考えずに殴りかかろうとした。が、腕を振り上げた瞬間に腕を掴まれた。
「!?」
背後に気配は感じなかった。なのに、ニコッと笑ったスーツを着た男が俺の手首を掴んでいた。しかも、動かそうとしてもびくともしない。
「ほら、君達、今学校の時間だろ?そんなんしてる暇あったら勉強しなさい」
やんわりとした言い方なのに、まるで逆らえない。目が、笑っていないから余計に怖い。
「チッ」
不良たちは舌打ちをしてどこかへ去っていった。
「大丈夫かい?」
「別に…」
本当は大丈夫な訳ねぇ。まだ焦点合わねぇし、足元がちょっとふらついている。しかも前の右足の骨折は完治してないから、そこにも激痛が走る。
「…痛てぇっ」
「どこの学校の子?連れて行こうか?」
「うぜぇ、これぐらいなんでもねぇよ!」
「親切で言ってあげたのに…」
「余計な世話だ!サラリーマンなら働け」
「年上なのに…」
最初のコメントを投稿しよう!