序章

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結局、俺の右足首の骨は綺麗に折られていて、病院に行き、腕や足に包帯を巻かれ、終いには松葉杖を渡された。 「保護者に連絡はしたから」 警官にそう言われて、俺は内心焦った。出て来る前に捕まるなと言われたばかりなのに捕まり、呼び出しまでされたのだ。 「………」 ため息さえも出なかった。少しすると母さんが迎えに来て、家に帰った。 「あれほど捕まるなって言ったわよね?」 「あぁ」 「なのに捕まったの?おまけに怪我までして…骨折れてるらしいじゃないの」 「あぁ…」 「これじゃあ退学決定ね」 「…悪ぃ」 「頑張って学費払ってたのに…母さんの努力返してよ…」 「働いてるのは父さん…」 「おだまり!とにかく…あんたには退学になったらここに行ってもらうからね!」 「…黒須学園?」 「そう。女子学校だから、さすがに喧嘩はなくなるでしょ!あんたは成績だけはよかったから…。そこの試験で満点取りなさい、いいわね?」 「あぁ…でもなんで満点?」 「満点を取ればいろいろな特権があるからよ。詳しくはパンフレットを見なさい」 「…わかった」
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