いち

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編入試験を受けに黒須学園に行った。 ちょっと町外れだったけど、学園自体はかなりでかかった。 「それでは試験までの30分ほどパンフレットを見ながら、黒須学園について説明させていただきます」 教師っぽいスーツを着たやつが、スクリーンを使ってなにか説明していた。俺はそんなのお構いなしにパンフレットを見た。 (満点を取るとどうなるか見てねぇや…) パンフレットをぺらぺらとめくり、特待生について書いてある項目を見た。 ―――――――――――――――― 【特待生徒への対応】 ・学費免除 ・寮の5階の個室の使用可能 ・好きな委員会、生徒会へ入る権利あり ・外出権は(担任の承諾を受ければ)自由 ・1つだけ特別待遇を許す ※ただし、学年首位をキープし続けた者にのみ与える。剥奪される場合有り ―――――――――――――――― (ふぅん…やっぱ母さん学費免除に目をつけたんだろうな…) 「―――――って聞いてますか?」 「そんな面倒な説明とかいらねぇから早く試験始めてくれないっすか?」 質問した教師は、俺の解答にびっくりしながらも、(たぶん目上の)教師にアイコンタクトをして、試験を開始させた。
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