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教卓を囲んだ明人、康介、綺羅の3人を順番に眺め、雄二は静かに言った。
「まずは作戦をたてる」
「作戦?」
「あのな明人。相手は不良だ、頭を使った方が楽だと思わないか」
「それもそうだね」
バカの集まりなので頭が回らない。特に明人はそれが顕著だ。
「康介が武器を調達してくれる。不良はグループで行動してるんだ、4人で正面突破は厳しいだろ?
まずは康介が何かの武器で、
不良グループの足止めを頼む。
手段は問わん、完全に制圧だ」
「手段は問わん、か。了解だ」
「次に綺羅、康介が不良の動きを止めたら、黒綺羅の時みたく、バッタバッタとなぎ倒してくれ」
「まさか俺が手を下すとはね。康介も無茶すんなよ。
――でも舞加ちゃんが俺を(以下略)」
「――俺は?」
「そうだな……明人。
お前は不良グループを一カ所に集めてくれ。そこを康介と綺羅に叩かせる」
「囮かよぉおおおっ!!」
「明人、完全に囮だね」
「俺はボコボコになったリーダー格に駄目押しを加え、懐柔させる。
で、それにはまずは明人が動くしかない」
「わかったよ、やればいいんだろ、やれば!」
「……川上のためにもなるんだ、頑張ってくれ」
「それは言わない約束だろ」
「そうだったな」
かくして、雄二たちはバカを脱して、学校を楽しくするための第一歩を踏み出した。
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