続きの終わりの始まり

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「いやぁ、でも良かったですよ。この現象俺だけに起こってんのかなって、頭ん中ぐちゃぐちゃになりそうでしたよ。」 頭を掻きながら、辺りをいまだに不思議そうに眺める。 「ん?」 一粋が何かに気付いたのか、他の乗客達に向かって歩き出す。 「やっぱりだ」 座席に座っていた、サラリーマン風の50代ぐらいの男性の頭をおもいっきりひっぱたいた。 「ちょっと!なにしてんのよ!」 一粋の行動が意味がわからず、慌ていると、冷静に説明し始めた。 「反応無し……。」 「え?」 「時間が止まってる。」 他の乗客達は、さっきまで互いに雑談したり、いつもと変わらなかったが、2人が接触してからだろうか、時間が止まっているようだった。 「本当だね。何にも反応しない」 また、他の乗客達を必要以上に触って確かめる。 「触り過ぎだろ」 苦笑いした。 「とりあえず、何とかしないとなー」 「外出てみない?」 一粋は、女性の顔を不思議そうに見つめながら、なぜ俺とこの人だけにこの現象が起きているのか全く分からない、と思いながらその提案に賛成した。 「開かね」 ドアは、それが元々ドアじゃなかったかのように開く気配を微塵も見せない。 30分いや、1時間経っただろうか。 その間、窓も割ろうと試みたが、望んだ結果は得られなかった。 「ダメだこりゃ」
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