新春

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よし、話し掛けてやるか。 「オッス、何してんだ西園寺」 「おお、噂をすれば翼が来た。 いや、腹減ったから龍から貰ったおにぎり食ってる所」 いいな、俺も食いたい。 出来れば具は明太子で。 「……で、龍は何でそんなブツを持ってるんだという話だが」 「いや、今日弁当持参かと思ってた。 弁当あるの部活やってる人だけだよな」 アホか。 お前帰宅部だろ。 「まあ、ドンマイ」 「……で、翼の後ろにいる子は誰だい?」 西園寺、お前可愛い後輩を忘れるなよ。 「えっ、おい西園寺、お前可愛い後輩を忘れんなよ」 おお、シンクロした。 「えーと、うーんと……あれ、誰だっけ」 ……龍、お前もか。 「やれやれ、水月、自己紹介してやれ」 爆発しない事を願うが。 「鏡花 水月……ですわ。 1年の時にここから別の学校に転校して、また今日ここに転入しましたわ」 「おお、何だ、鏡花か、性格変わったなお前」 「……すいません、私、先輩方の名前や顔は良く知りませんの」 「ガーン!」 龍ざまぁ。 「先輩方は知らないと思いますが、これでも前の学校の学年の中では成績はトップでしたわ」 「……え、マジ?」 「ええ、今の所、素内申は44ですわ。 とはいえ、別の学校にいた時のですので、正確な数字はまだ分かりません」 オール5の中に一つだけ4があると思ってくれ。 「……なあ龍、お前1年の頃の内申覚えてる?」 「……25。西園寺は?」 「……22」 二人ともがっくりと項垂れる。ざまぁ。 「……えーと、水月ちゃんか。 俺は西園寺 銀侍。よろしくなー」 「あ、はい、よろしくお願いしますわ、西園寺先輩」 「あー、いいよ先輩なんて言わなくて。 俺堅苦しいの嫌いだし。 呼び捨てか、さん付けしてくれればいいよ」 西園寺、お前何を企んでいるんだ。 「あ……はい、では、銀侍……さん、お願いしますわ」 水月、そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。 「んで、俺は龍虎 香奈。 気軽に香奈ちゃんとでも香奈さんとでも呼んでくれ」 香奈ちゃんはないわ。 「はい、では香奈……さん、よろしくお願いしますわ」 随分とまあ微妙な感じだが、まあ次第に慣れるだろう。 「うん、よろしく」 やっぱり友達っていいよね。
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