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そんなこんなで水月と雑談すること数十分。
「……にしても、沙雨那さん遅いですわね」
「もうそろそろ生徒会も終わるんじゃないか?」
水月は若干待つのがだるくなって来たご様子。
「沙雨那、会長だから多分色々書類纏めたりしてんじゃないのかな」
「にしても遅すぎですわ!
この私を待たせるだなんて!」
「……もしもーし、水月さーん」
「……はっ、い、いけませんわ。
つい取り乱してキャラが崩壊してしまいましたわ」
「お前キャラ作ってたのか」
「い、いえ!
私はそんな高飛車な女ではないだけですわ!」
「中にはその口調だけで高飛車だの我侭だの自己中だの思う人がいるんだぞ?」
「えっ……そうなんですの?」
「うむ、昔は俺もそうだった。
ぶっちゃけ水月は性格最悪だと喋り方だけで決めつけてた時期あったし」
「……酷すぎではありません?」
「だな、すまんかった」
「……やけに棒読みですわね」
そんな話をしていると、廊下から足音が。
お、沙雨那かな。
そう思い廊下をちらっと見ると、長髪で髪を二つに結んだ金髪の女子生徒が見えた。
「あ、お兄様ー!」
ちょ、学校内ではやめて恥ずかしいから。
「遅くなってすいません、書類の片付けが大変で……」
「いや、気にするな。お疲れ様」
「えへへ、ありがとうございます」
と、沙雨那と話をしていると、爆発寸前の水月が顔を出した。
「あっ、水月さん、こんにちは」
「は、はい、こんにちは……ですわ」
少しでも気に障る事を言ったらマジギレしそうだな。
「水月さんもいたんですね」
「ああ、家も隣だし一緒に帰ろうかなって」
「あ、そうなんですか。
ゴメンなさい、待たせちゃいましたか?」
「い……いえ、大丈夫……ですわ。
それより早く帰りましょう……」
そうだな、爆発しないうちにこの危険物を家に帰らさないと。
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