人間不信３～大切なもの～

結婚

彼女の母親の声がきこえた。
｢あの子は親戚の中でも一番下の方でして、みんなに可愛がられて育ったものですから、甘えたな所があって…。ご存じの通り、父親もいないですけど、よろしくお願いします。｣
｢いえいえ、こちらこそ、大切な娘さんをすみません。これからもよろしくお願いします。｣

なぜか、旦那の父親が謝っていた。
(あぁ、あれが普通なんだ…。)
と彼女は思った。
同時に、
母親は離婚したことを彼女に申し訳なく思っているのかもしれない。
とも思った。

口には出せないが、やっぱり彼女も、こういう場には両親が揃っていて欲しかった。