まごころを、君に

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「君達二人にはそれを遂行出来る権利があるよ」 「ちょっと待ちなさいよ!!アンタ何いってんの!!」 「そうだよカヲル君!!何がなんだか…」 「過去に戻りたくはないのかい?」 その台詞に二人はぴくりと反応して、カヲルの話を黙って聞く。 「…続けなさいよ」 「君達二人は、あまりにも周りの人間に振り回されてきた。大人の事情ってやつかな?君ら自身の決断はほとんど成されていないと言っても過言じゃないと思うんだ」 鉄骨に座るのをやめて、二人の方に歩み寄るカヲル。 「こんな結果は望んでいない、ナンセンスだ、そう思っているでしょ?」 二人は黙って頷いた。 「だから君達はもう一度やり直してもらってもいいと思うんだよ」 「じゃあ、この未来も変えられるんだね!!」 「残念ながらそれは無理だ」 「…え?」 「一度進んだ時計の針は戻らない。ここまで進行してきたこの世界の過去に戻すことは出来ないよ」 「じゃあどーすんのよ!!それじゃ過去に行けないじゃない!!」 「時計の針がまだ進んでいない世界に君達を送る」
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