小さな戦場、小さな俺

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アルトが来てから二日がたっていた。 その間命令が来ないとかで部隊はまだ森に居た。アルト伝令じゃなかったのかよ。 で、今日ようやく進軍開始。 部隊長のゴブリンの近くなので愚痴がよく聞こえる。 今更だけど、ゴブリンは『小鬼』とか言われる奴ら。ぬいぐるみみたいな体型で、頭に角が生えてる。 「あーもう、命令無視とか何だよ……」 いきなりの爆弾発言。 「『司令官だって戦いの中で出世したんだ!』だぁ?たかがスライム部隊に何が出来るんだよ。」 ……どっかで聞いたセリフだな。 「大体オーガとか好戦的すぎんだよ……。命あっての物種だっつーの……。」 ……哀、ゴブリン達。何か色々違う気がするが気にしない。まあ、すぐには攻撃しないだ… 「ヒャッハァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!野郎共突撃じゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」 ボクサケビゴエナンテキイテナイ 「これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴これは幻聴……」 何かに取り付かれた様につぶやき続けるゴブリン。ご苦労様です。ゴブリンは戦闘力低いからな。 「……そうだ。我が隊は後詰めとしてこの場に待機する!」 後詰め……要するにに安全地帯にいよう、と。このゴブリンズル賢いな。 遠くでは、殆どの部隊が(半強制的に)オーガに付いて行っているようだ。 ……あ、魔法の集中攻撃受けて壊滅寸前だ。 「……我らは近くの『佐』クラスの士官に部隊長の命令無視を報告する!」 あ、逃げた。 『佐』クラスは、士官の中で二番目に下。部隊長のオーガが『尉』クラスで士官の一番下、逃げたゴブリンは『下士官』、士官には入らない。俺は『兵士』だな。 『佐』の上は『将』、一番上が『元帥』らしい。 さて、俺達は逃げる訳だが、当然敵からは追撃が来る。 「……どうせなら最初から報告しに行けばよかった。」 おいおい。勝ってたらどうすんだよ。 問:……というか、俺達どうなるんだ?
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