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上田「おい!お前ら!」
まだ帰ろうとしていなかった上田は、埜々香の涙を目の当たりにし、慌てて帰ろうとした連中を呼び止める。
上田の声に振り向いた木田らは、本当に泣いている埜々香を見て絶句。
木田はさっき嘘泣きと決めつけてしまい、罪悪感が込み上げた。
尾崎「まぁやるからには勝ちに行くからよ。泣き止みなよ」
次郎が優しく言葉を掛けると、埜々香は涙を手で拭きながら頷く。
上田「よし!いっちょやったるか!」
上田もやる気を出し、他の部員らも次々と声を上げる。
埜々香(フッ。ほんと男ってチョロイんですけど。まずはやる気を出させるのは成功かな)
埜々香はみんなに気付かれぬように、そっと笑みを浮かべた。
その後、再びウォーミングアップを続けていると、三塁側ベンチにアメリカ代表が姿を現した。
「おい!三塁側見てみろ!アメリカ代表が来たぞ!」
一人の部員がそれに気付き、みんなに呼び掛けると、全員一斉に三塁側ベンチを見る。
尾崎(あれがアメリカ代表か。ヘッ!燃えてきたぜ)
次郎はグッと右拳に力を入れた。
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