113人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
尾崎「あの・・・上田さんが良いのではないでしょうか?」
そんな中、次郎が恐る恐る手を挙げて、上田を推薦する。
上田「俺か?別に構わないが、他のみんなはそれでいいのか?」
上田は再びみんなを見回すと、みんなはうんうんと頷く。
上田は県大会も何回か出場し、名も少しは知れており、普段は冷静な性格なので、この中では一番の適任者である。
あとこんな面倒な事をやりたくないと言うのも事実だ。
上田「分かった。俺がやろう。みんな文句言うなよ」
責任感の強い上田は承諾し、リーダーを務める事になった。
上田「まず今日の先発だがやりたい奴はいるか?」
上田が聞いたと同時に、次郎含め三人の手が挙がる。
「フンッ。今手挙げた奴ん中じゃ俺しかいないっしょ」
その中の一人が自信たっぷりに上田の前に出る。
上田「小美高(おみたか)中学の阿部か」
上田はどうやら知っているようだった。
阿部「上田さん。あんたは俺の実力知ってるだろ。この夏の県大会、惜しくもあんらに負けたが、十波の打線を相当苦しめたはずだ」
阿部と上田は、この夏対戦したばかりのようだ。
阿部「こん中じゃ上田さん除いて、俺が一番実力あるピッチャーだ!」
阿部は必死に上田に訴えた。
最初のコメントを投稿しよう!