113人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
第二球目、内角高めに外れるストレートをアレックスは平然と見送る。
胸元に来ても、一切ビビる仕草を見せなかった。
阿部(さっきから無反応かよ。それとも思ったより速くて、手が出ねぇか？)
阿部は得意気に笑みを浮かべ、第三球目を投じる！
真ん中低めへのストレート！
「カキーン!!」
アレックスは鋭いスイングで振り抜き、ジャストミートした当たりは、弾丸ライナーでショートの頭上を越えて左中間を破る。
外野が狭いうえ、ライナー性と言う事もあり、外野は直ぐ様打球を拾い、内野へと中継したが、打ったアレックスは二塁へと滑り込んでいた。
尾崎(速い･･･！なんつーパワーと脚力してんだ！)
打球の速さ、そして足の速さに次郎は驚く。
上田(普通のバッターなら一塁止まりなのになんて速さ！ケタ外れだ)
上田が想像してたよりも、圧倒的な身体能力であった。
いきなりツーベースを打たれ、ノーアウト二塁とピンチ。
阿部はと言うと、顔を引き釣らせロジンバックを手に取った。
さっきまでの威勢はどこへやら、自信は跡形もなく消えている。
二番のブライトが右打席へ入った。
阿部(まぐれ･･･だよな？)
さっきの当たりはそうであって欲しいと言う願いを込めて、セットポジションから第一球目を放つ。
最初のコメントを投稿しよう！