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投げた球は真ん中低めに外れてワンボール。
続いて第二球目。
阿部がセットポジションから足を上げた瞬間、二塁のアレックスはスタートを切る!
尾崎「さ、三盗!?」
放った球は外角低めへのストレート!
「カキーン!」
上田「エンドランだと!?」
三盗だけでなく、ここでのヒッティングは予想外。
打球はライナーでライト方向、僅かに一塁線切れてファール。
ブライト「チッ!」
フェアにならず、打ったブライトは舌打ちをした。
尾崎(さっきの打者の脚力ならエンドランなんか必要ないはずだ。なぜやったんだ!?)
アメリカチームの意図が読めず、茨城代表チームは混乱するばかりである。
野口(エンドラン自体に意味はない。見慣れないアメリカの野球。何をしてくるか分からない不安と恐怖。意味のない事でも大きな揺さぶりになるんだよ)
アメリカの意図が分かっているのは、主催者の野口だけだった。
阿部(なんなんだこいつら!次は何しよーってんだ!?)
早速阿部は、アメリカの術中へとはまっている。
阿部は二塁ランナーへと視線をチラチラと移し、バッターへの集中力が欠け始めた。
三塁側ベンチでは、アメリカチームが不適な笑みを浮かべている。
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