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三浦(ランナーを気にしすぎだ。バッターに集中しろ!真っ直ぐを続けるのは危険。ここはスライダーでいこう)
キャッチャーを務める三浦は、アメリカの揺さぶりに動じず、なんとか冷静さを保っている。
阿部はサインに頷きセットに入るが、横目でチラチラと二塁方向を見て、バッターよりランナーの方が気になっていた。
第三球目!
なるべくクイックを心掛け、素早く放ったスライダーは、本来よりもキレがなく、真ん中よりへと入ってしまった。
「カキーン!」
無論、それを見逃す事なく振り抜きジャストミート!
今度は二塁手の頭上を越えて右中間に飛んでいく。
二塁ランナーのアレックスは悠々ホームインし、打ったブライトは二塁へ。
1-0、二番ブライトのタイムリーツーベースで早くも先制。
三塁ベンチからは歓声が上がった。
上田「早くも先制されたか・・・!」
上田は悔しそうに歯を食い縛る。
埜々香「はっ?もう点取られちゃったわけ!?うわ~!いくらなんでも、ありえないんですけど~!」
上田の言葉を聞いて、現状を把握した埜々香は、携帯から阿部に顔を向けて、ぶつくさ言いながら冷やかな視線を送った。
すると上田はガタッとベンチから立ち上がる。
上田「尾崎、ブルペン行くぞ。思ったより出番が早そうだ」
尾崎「ウスッ!」
二人はグラブを持って、ブルペンへと向かった。
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