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アメリカ代表との船上試合。
先発の阿部が揺さぶられ、早くも打ち込まれ始める。
次郎と上田はブルペンに入り、肩を作り始めた。
ブルペンには、野口から雇われているブルペン捕手が二人待機しているため、いつでも投げ込み可能だ。
上田(なんとか時間を稼いでくれよ)
マウンドの阿部にそう願いながら、捕手とのキャッチボールを開始した。
アメリカ三番のチルタスが左の打席に入る。
阿部(この俺が・・・、クッ!)
初球、二球目とボール球の後、ストライクを取りにいこうとした三球目、内角低めにスライダーが甘く入ってしまう。
「カキーン!」
打球は勢いよく一塁線を転がっていき、ライトへと抜けていく。
二塁ランナーのブライトがホームインし、2-0とアメリカが追加点。
打ったチルタスは二塁へ到達し、三者連続ツーベースとなった。
埜々香「また点取られるとか、マジありえないし!」
阿部の不甲斐なさに、埜々香もご立腹だ。
そしてアメリカの四番、デストラが右打席へと立つ。
構えると、どこへ投げても打たれそうな、そんなオーラが漂ってくる。
阿部(抑えられる気がしない・・・)
完全にビビッてしまった阿部は、ストライクを一球も入れる事なく、全て逃げるようなボール球でフォアボールを与えた。
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