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フォアボールでランナーが溜まり二塁一塁。
三浦「球自体は悪くない。一つずつ確実にアウト取ってこう」
キャッチャーの三浦がマウンドに足を運び、とりあえず声を掛けたが、阿部は終始暗い表情をしていた。
五番のエルドが右の打席に入る。
阿部(球自体は悪くない?例え良くたって、こいつらには簡単に打たれるだろうよ。俺じゃ・・・抑えらんねぇよ!)
阿部は完全に心が折れており、勝負を逃げるように、エルドに対してもフォアボールを与えた。
これでノーアウト満塁と、逃げ道すらなくなった状況だ。
エルド「詰まんねぇな。フリーバッティングも出来やしねぇ」
連続フォアボールに腹を立てたエルドは、一塁へ向かう途中に阿部へと吐き捨てる。
もちろん英語なので、言葉は伝わっていないが、明らかに文句を言っていると言うのは表情から読み取る事が出来る。
安仁屋(あいつは精神的に限界だ。上田、まだか?)
安仁屋はブルペンの方を見て、上田の登場を今かと待つ。
上田「仕方ない。行くしかないか。尾崎、先に行くぞ」
完全に肩は出来上がっていなかったが、これ以上阿部を続投させるのは酷だと感じ、上田はブルペンを出てマウンドへ行く。
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