天才対決!

4/27
113人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
上田は球審にピッチャー交代を告げ、マウンドに集まってきた内野陣の中に入る。 上田「阿部、ご苦労さん。後は任せろ」 阿部に優しく言葉を掛け、右肩にポンッと手を乗せた。 阿部「ケッ。言っちゃ悪いけど、お前の球でも抑えられねーぞ」 上田が乗せた手をどかして、阿部は小走りでベンチへ戻っていく。 そのとき阿部は唇をギュッと噛み締めて、悔し涙を必死に堪えていた。 木田「上田さん。何とかこの流れを止めて下さい!」 チームの中で一番実績のある上田に期待がかかる。 上田「やるだけやってみるさ」 上田自身、この強力打線を抑えられるか、自信がなく不安な気持ちでいっぱいだった。 その後、上田は三浦とサインの打ち合わせをして、投球練習を開始する。 安仁屋(あと残ってる投手は尾崎か。あいつではこの打線を抑えられん。上田が打たれたら俺らは終わりだ) チーム一番のピッチャーの上田が攻略されたら、もう抑える術がないと安仁屋は考えていた。 上田(俺で抑えられれば良いんだが・・・) 投球練習が終わり、六番のフィルズが左打席へと入る。 木田(お願いします上田さん!) バック全員の願いを乗せて、上田はセットから一球目を放つ。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!