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次郎がマウンドへ到着し、上田からボールを受け取る。
上田「尾崎。こんなピンチでのバトンタッチ、本当にすまない」
自分で出したランナーを置いて、マウンドを去るのが申し訳なかった。
尾崎「気にしないで下さい。後は俺が全力で抑えてみせますよ」
一切不安がない表情で、ボールを自分のグラブに軽く叩き付ける。
木田「尾崎、頼むぜ!」
木田が言うと、次郎は小さく頷く。
内野陣はそれぞれの持ち場に戻り、上田はベンチへ戻っていく。
次郎は、捕手の三浦とサインを合わせ、その後は投球練習。
野口(上田が早くも引っ込んだか。もう終わりだな)
チーム一番の投手が退き、アメリカチーム全員がそう思っている。
アレックス(もう、さっきのピッチャー以下の奴しか居ねぇんだよな。仕方ねぇ、軽ーく打ってくっか)
野口からは、上田が一番良い投手と聞いているため、次郎がそれ以下の投手と思われても仕方ない。
実際に、夏の大会では上田らに負けているためデータ的にもそうなる。
安仁屋(上田で無理だったんだ。あいつじゃ抑えられん)
木田以外の守備陣も、完全に諦めムード。
木田の除いて、次郎に期待を持つ者など誰一人として居なかった。
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