風を味方に!

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試合は三回裏が始まろうとしている。 得点は5-0とアメリカがリード。 一塁側、茨城代表チームは、ベンチにいる全員が上田に注目していた。 木田「策があるって本当ですか!?」 木田は嬉しそうに、身を乗り出して上田に迫る。 上田「あぁ。うまく行くか分からないが、とりあえず策は考えた」 近付いた木田を、元の位置へと遠ざけて、上田はゆっくりと頷く。 安仁屋「で、その策と言うのは?」 あまり時間がないので、早く内容が聞きたかった。 上田「このグラウンドに吹き荒れる、風を味方につける!」 上田がグラウンドに目を向けると、音を立てて風が通り過ぎる。 木田「風を味方に?」 木田はよく分からず首を傾げた。 上田「段々と風が強く吹いてきてる。この分だと終盤の頃には、かなり強い風が吹きまくる。ならこれを利用しない手はない」 上田は不敵な笑みを浮かべる。 上田「落下地点予測不能の打球を上げてやれ!花火大会の如く打ち上げるぞ!」 上田の気迫ある声に、みんなはとりあえず、"オ、オゥー"と返事した。 上田「まぁ風次第だから運要素タップリだけどな」 守備陣は落下地点予測が厳しいが、攻撃陣も強い風がタイミング良く吹くかどうかなんて、全く予想できないのが欠点である。
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