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ぼくは笑う
楽しいわけじゃない
ただ嫌われないように
置いていかれないように
独りぼっちに
ならないように
いつからだろう
心から笑う事を
忘れてしまったのは
作った笑顔
気付かれないように
ぼくは笑う
本当のぼくなんて
わからない
でもただひとつだけ
心はいつも泣いている
ぼくは泣く
みんなが寝静まった夜
声を殺して
暗い部屋でひとり
ぼくは泣く
悲しいとか辛いとか
こんなふうに
なってしまったのは
自分自身のせいなのに
弱い自分が大嫌いで
こんな毎日が嫌になって
気付かれないように
部屋の隅っこで
ぼくは泣く
気が付けばぼくの左腕
赤い血で染まっていた
まるで泣いているかのように
手首を伝ってぽたぽたと
流れる真っ赤な血
心の痛みを消すように
何度も何度も線を引く
ぼくは笑う
楽しいわけじゃない
ぼくは泣く
悲しいわけじゃない
笑顔の裏に隠れた涙
一人じゃないけど
独りなんだと
心はいつも泣いている
本当は凄く寂しいんだと
本当は凄く不安なんだと
ぼくの心は
叫びをあげた
偽物の笑顔さえも
できなくなってしまいそう
だから今日も
ぼくは笑う
涙を堪えて
ぼくは笑う
ぼくは笑う
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