死に逝く刻

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僕がここからいなくなっても 世界は何も変わらない 同じように時間は流れ 僕が存在していた事も すぐに忘れられるだろう ビルの屋上から この街を見渡す こんなにたくさんの 人がいるのに何故 僕は此処に一人なんだ 誰も僕には気付かない ここから飛び降りたら みんなどんな反応を するのだろう 野次馬が増えていき キャーキャー うるさくなるんだろうか それとも誰も 気にかけないのだろうか なんだか悲しくなってきた 僕は何故生まれてきたのか 僕はこのまま 生きていていいのか ふと昔を思い出した 笑っている僕を はしゃいでいる僕を 友達を家族を貴方を 僕あんなに笑えてたんだ まるで別人のようだ いつからこんな風に なったのだろうか 自分の弱さに 自分の甘さに 嫌気がさして 自己嫌悪に陥って こんな世界 だいきらいだ こんな僕 だいきらいだ 嗚呼、今日の空は ひどくまぶしい もうそろそろ そっちに逝くか 空を見上げて 目を閉じて そして此処から 「さよなら 腐った僕」
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