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「はぁっ…やっぱり綺麗…」
美奈は私を見ながら呟く。
「そうかな?」
「うん、いつ見ても見惚れちゃうもん」
「ふふ、ありがとうございます」
そのまま私を見ながら美奈は髪に触れてくる。
「恵菜の髪も瞳も私は大好きだから」
そういいながら美奈は私の…私の深紅の瞳を見つめる。
そう、私は普通じゃない。
髪の色は白金で瞳は赤。
肌も血液が透けて薄く紅色がかっている。
アルビノと呼ばれる症状だ。
私みたいな見た目を怖がったりする人も少なくない。
自分とは違うものに対して畏怖をもつのは仕方ないことだけど。
それでも美奈は私に対して好意を示してくれる。
それはすごく嬉しく思う。
その美奈は私の髪に触れながらうっとりしていた。
いつまでもこうさせてあげてたいけど…
「美奈、学校に遅刻するよ」
「あ、うん」
そう言って残念そうに髪から手を離し歩き始める。
私もまたサングラスをかけ歩き始める。
これも今では毎日のことだ。
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