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二人の内一人が、美術書のコーナーで眠りこける、折原 洋輔の前に辿り着く。
「実紗ぁ、いたよ」
初めての図書室。
周囲の様子から静かにしていた二人だったが、目的の人物を発見し気が緩んだのか、もう一人の事を大声で呼ぶ。
司書の教師が怒りの形相で飛んで行き、騒音の発生源に注意した。
合流した女子を含め、二人は反省した。
「何だよな。僕の安眠を、邪魔しないでくれないかな」
足を組み、椅子に腰掛けていた折原 洋輔が、体をお越し背伸びをしながら立ち上がる。
その場の三人が、折原を見上げた。
「でかい……」
司書の教師が呟く。
実際には無いだろうが、二メートル近い長身である印象を、その三人は受けた筈である。
「それで、何の用?」
気だるさを全面に押し出し、面倒臭そうにボソッと呟く。
その言葉で、二人の女子は自分達の目的を思い出し、我に返って持ってきたバッグを漁り参考書を出した。
「あの、これ……」
「そういう事なら、場所を変えようか」
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