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折原 洋輔は、クラスメイトや同学年の女子に報酬を取って、勉強を教える事があった。
これはほんの一部の、成績が悪い生徒の間で知られている事実で、テスト前や入試前には水面下で情報が流れる。
洋輔の教え方は、教師の上を行く。
その報酬の件を知らずに、二人は洋輔の元に来たようだ。
「えっ、金がかかるの?」
「それは、ちょっとねぇ……」
「いやいや、流石のボクも金を取ってなんてアコギな事はしないよ。ボクの場合の報酬は、デートなんだ」
洋輔は、デートを条件に勉強を教えるのだ。だから、女子限定になる。
男子には、情報が流れないようになっているが、間違って流れ洋輔の元に来ると話しも聞かない。
「でも、デートなら全然いいよね。折原くん、何気いい感じだし」
「えっ?」
「そうそう、折原くんが良いなら付き合っても……」
「ストップ」
二人の女子が、恋愛モードで盛り上がり始めると、話しを遮るように手を打った。
女子二人は、キョトンとした顔で洋輔を見詰める。
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