第一章 折原流古武術

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   学校の正門を出ると、洋輔は家と逆方向に歩き出す。  まだ、夕方とも言い切れない微妙な時間は、制服を着た洋輔を目立たせる。ところが、自転車でそこらを行き交う女子高生のお陰で難を逃れた。  仮に近所のオバチャンに何か言われても、洋輔は気にしたりはしないのだが。 「じいちゃん、まだ生きてるよな」  齢八十の洋輔の祖父。  折原流古武術の創始者にして、最後の継承者である。  ようは、跡継ぎがいないだけ。  生き死にの軽口を洋輔が出来るのも、小柄ながらに屈強な肉体を有する祖父が、簡単に死なない事を誰よりも知っているからだ。  そして、洋輔が祖父の家に到着する。  良く言えば、古式ゆかしい日本家屋。  悪く言えば、おんぼろ平屋のお化け屋敷風。  平屋の住宅の半分程度の別棟が、古武術の道場でこちらは住宅の数十倍は綺麗である。 「この時間は、道場だろうな」  住宅の横を通り抜け、裏庭の道場へと向かう。そして、不用意に扉を開いた。 「ブレードミサイル発射ぁ」
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