第一章 折原流古武術

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   その声は、明らかに幼い男の子のそれだった。  おそらくヒーロー物の特撮かアニメか何かの技を、そのままパクったであろう技の名前。  ほんの一瞬で、そこまでの判断が出来るはずもなく、正確に洋輔の顔面に飛来した木刀を避けた後に考えたのだ。 「ブレードミサイル……」 「おぉ、洋輔。よく来たな、まぁ上がれ」  聞きなれた祖父の声に、木刀から道場内に視線を移すと、いるはずのないチビッコが団体で洋輔を見ている。  折原流古武術の道場は、中学生以上しか受け入れていなかったはず。 「じいちゃん、これは?」 「あぁ、門下生が集まらなくてな。近所の奥さん連中が、子供の健康の為って無理矢理押し付けられたら、いつの間にかな」 「何だよ、そりゃ……」  祖父が、ブレードミサイルを教えたかは定かでないが、門下生が集まらなければ収入にならない。  背に腹は変えられないといった事だ。 「じいちゃん、奥の部屋借りるから」 「おぉ、昼寝か?」 「まぁね、起こさなくてもいいよ」
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