第四章 鎌鼬の真意

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   獣の雄叫びをあげて、一直線に疾走する者と目線の高さを飛翔する者と、どちらも異形の者として見るだけで背筋が凍る。  能面の九十九神を被った人形の妖。  大型の猿で、蛇の舌を持つ妖。  ボロキレのような妖。  笹の葉を集めて人形を成した妖。  数珠の九十九神。  鳥の翼を有した魚の妖。  骨だけの鳥の妖。  それを認識した瞬間に洋輔は、攻撃を仕掛けた。  左手を体に引き寄せ、地面と水平に凪ぎ払うように振ると、再び柄が弧を描きながらも伸びていき、迫りくる妖を数体を消し飛ばした。  それは、ボロキレの妖、猿の妖、鳥の骨の妖だった。 「ちっ、それだけか……」  洋輔は、五体は倒すつもりで槍を放ったのだが、予想に反して残った妖の動きは機敏だった。  そして、四体の攻撃が洋輔に襲い掛かってきた。  特に笹の葉の妖が攻撃は厄介で、刃のような切れ味を見せる笹の葉を飛ばし、中間距離からの攻撃を繰り出し他の妖をフォローする。  それを防ぐだけで、攻撃を出せない。
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