第四章 鎌鼬の真意

27/74
前へ
/285ページ
次へ
   衣の防御力のお陰で、傷を負うのは顔と手首から先だけで何とかしのいでいるが、いつまでもこの状態では体力が削られる。  だが、隙が見い出せない。 「ボクのキャラクターじゃないけど、仕方ないな」  そう言った洋輔は気合いを込めた声を発し、妖達にほんの一瞬の隙を作った。  魚の妖の体当たりを槍で弾き、能面の九十九神を蹴りで退け、数珠の九十九神を右手で掴んで地面に叩き付け、槍の一撃で止めを刺し消滅させた。 「これで……」  笹の葉の妖との、一対一の状態を作り出した。  数珠の九十九神を倒す為に、地面に突き立てた槍を土ごと妖の方に振り上げ、槍を回転させながら連続攻撃を叩き込む。 「折原、倒す……」  洋輔の攻撃に、笹の葉の大半を削り落とされ幹が露出した妖は、それを言いながら捨て身の攻撃に出る。  しかし洋輔は槍を突き出し、それを滅した。 「あと、二体か……」  すると、それまで素手で攻撃していた能面の九十九神を着けた妖が、何処からか扇子を二本取り出し構えを取った。
/285ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1299人が本棚に入れています
本棚に追加