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まるで、日舞でも踊るように動きを緩める。
一方、鳥の翼を有した魚の妖は反して速度を上げ、魚雷のように直線的に攻撃してくる。
「いつくる……」
魚の妖が連続攻撃を繰り出す中で、能面の妖は距離を詰めつつも攻撃を出す気配だけ匂わす。
まさに、見事な連携だった。
下手に数で攻められるより効果的で、精神的に追い詰められていく。
その時、能面の妖が動いた。
緩やかな動きから一変、右手の扇子を開いて洋輔の胴を切りつける。扇子の内側には、刃が仕込まれていた。
「くっ、槍で受けて……」
より意識を強める為、行動を口にして実際にその通りに動く。
柄から伝わる衝撃は、扇子が刃を仕込んだだけの物でなく、本体も鉄製の鉄扇であることを理解させた。
「折原を、滅する」
能面の肩口から、魚の妖が洋輔の顔面めがけて飛翔し、直前で体を翻し尾びれで目を攻撃する。
それを、体を反らしてかわす。
「よしっ、攻撃だ」
「させねえよ、折原の後継者よ」
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