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何体の妖を、塵と化しただろうか。
玄幽齋の手にする巨大な斧は、呼吸でもするように一定のリズムで輝きを放つ。
「いかん。しかし……」
それを目にし、玄幽齋と神奈は焦りの表情を浮かべる。しかし、妖の軍団は留まるどころか勢いを増し、二人を飲み込まんばかりに攻め込んでくる。
「許せ、赤鬼……」
玄幽齋は、斧に声をかけると今まで以上に大きく振りかぶると、叩き付けるようにして斧を振るった。
目の前に押し寄せた、無数の妖はその衝撃波で消し飛んだ。
「赤鬼……」
だが、玄幽齋の大斧も限界が来たのか、蒸発するように消え失せた。
神奈が、悲痛な表情を浮かべる。
「神奈、次だ。牛鬼の鉄球」
「かしこまりました」
神奈が、また鏡をかざし呪文を唱えた。
大斧の時と同じく、輝く鏡から柄のような物が現れ、玄幽齋の手元まで伸びた。
引き抜くと、長く太い鎖のついた刺付きの鉄球が現れた。
「頼むぞ、牛鬼」
今度は、その鉄球が妖達を薙ぎ倒す。
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