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俺は静かに竹刀を構えた。
それまで騒がしかった体育館が一瞬にして静寂に包まれる。
今俺は大将として試合を迎える所だった。
大きな看板に書かれた関東大会の文字が目に入る。
ここまで2勝2敗の五分、決めれば全国大会に行ける重要な場面で俺に回ってきた。
相手の選手も気合いが入っている。
負けるわけにはいかない。
そして審判の掛け声で挨拶を済ませ構えに入った。
審判『始め!』
始まりの合図と同時に両者が攻める。
竹刀の当たる音だけが響き渡る。
しばらくしても決着がつかない。
お互い攻めるのだが中々有効打を打てずにいた。
しかし勝負は一瞬だった。
俺の最も得意とする小手が見事相手に命中した。
勝負が決まった瞬間歓喜の声が俺を迎えてくれた。
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