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『新大阪ー
新大阪―
ご乗車のさいはお足下にお気をつけください』
アナウンスで俺達は新幹線を降りた。
桔梗はキョロキョロと辺りを見渡し、ほぅと息を吐いた。
「人、少ないんだね」
「多いと思うよ。
東京程じゃないけど」
そっか、と桔梗は言った。
人込みを好まない桔梗から笑みがこぼれた。
「桔梗」
「なに?」
「はとこの家に行く前に、中学校見に行こうか」
「……っうん!」
どうやら緊張はさほどなくなったようだ。
桔梗は俺を引っ張って早く行こうとせかす。
ちょっと可愛いと思った。
まぁ、そんな茨道に踏み込むつもりはないけど。
桔梗の学校は聞いているはとこの家より少し遠いから、電車に乗らなければならない。
といっても普通の乗った次の駅だから、本当に少しだけだ。
電車に乗ると中はガラガラで桔梗は嬉しいそうに2人用の席に寝転んだ。
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