1.僕と妹

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桔梗が通う事になる中学校は見事だった。 築何年かは経っていると聞いていたが、校舎は新調したばかりのように白塗りで、自転車通学もできる。 しかしホームルームは7時半と少し早めらしい。 この学校は、一葉中学校といって、一葉高等学校に通う俺も期待して損はないだろう。 「すっごい…。 兄さん! あたし頑張るから!」 「おぉ、頑張れ」 「だから兄さんも彼女作り頑張って! 男は二股かけるぐらいが丁度いいんだから!」 「おまッ。 そういう事小学生の餓鬼が言うんじゃねぇよ」 「春休みが終わったら、私も もう大人料金だもん」 桔梗は勝ち誇ったように言った。 二股かけるぐらいが丁度いいなんて女が言う言葉じゃないだろうと思いながら、俺は桔梗の手を引っ張り、校舎の中に入った。 校長先生さんに挨拶をするためだ。 「うっわ。中も凄い!東京にこんな学校あったっけ?」 「ここは私立だからなぁ。あ、あった校長室」 ノックをすると、はい という予想より若い女性の声が聞こえた。 「あの、白木と申します。妹がこちらでお世話になるので挨拶をしにきました」
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