* 第1章

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今日は廊下の飾りを頼まれ、 脚立に登って言われた通りに 飾りつけをする。 ほとんどパーティーとかで よく見る飾りだったから、 付け方はだいたい分かる。 アイツが『一緒にやらないか』 って言ってきたけど、私は 『嫌。』と即答した。 出来れば近づきたくないし…。 ――そんな訳で、私は一階を、アイツは二階の飾りつけを担当する事にした。 それにしても、長い廊下。 まだまだ終わりそうにないな。 もう帰り始めてる人達が 少し羨ましい…。 私はため息をつきながら 作業を進める。 後ろを向いてるからか、 いつも構ってくる奴らも 私に気づかず通り過ぎるし、 まだ楽、なんだけど…。 (それでもやっぱり まだ終わらないな…) そう、思いかけた時だった。 「乃依。」 聞きたくもなかった、 アイツの声が聞こえた。 よびすてで呼ばれるのも 嫌だけど、否定したらまた しつこくなるだろうから、 いつも我慢している。  
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